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価値のある「監査報告書」のために③(20180425) [3-内部監査参考情報]

 監査報告書のパーツ解説、第2段は、「個別監査所見と指摘事項」です。

 

 「総合所見」はあくまで、期間中の監査全体を概括的に捉え、代表理事の記憶にとどめていただくために、より簡潔にまとめました。したがって、「ざっくりした」ものになりがちです。

 

 それを補うために、個別の監査(グルーピング)の所見と指摘事項を整理し、代表理事が理解を深めるようにするのが目的となります。

 

 私は、「年間監査報告書」においては、業務監査・テーマ監査・システム監査の順序で項目立てをして、業務監査については、事業部門単位でまとめて、所見と指摘事項(一覧)を記述しました。月次や半期でも報告している内容と重複する部分はありますので、そのままを転載する場合も多く、作業的には難しいものではありませんでした。

 

 ただ、報告書全体のボリュームを考え、できるだけ要点に絞っていくことが大事です。

 また、監査報告書の最後に「個別監査結果報告書」を添付する事で、さらに詳細な情報が見たければ、それを確認いただくようにしていました。

 

  記述例・・・店舗部門の定期業務監査を例に

1.監査名:店舗部門・定期業務監査

 

2.所見

 店舗部門20店舗中10店舗の監査をした結果、以下のような所見を得ました。

 

()推奨すべき事項

 

今年度方針の重点課題「サービスの向上」について、監査した全ての店舗で、サービス向上委員会が設置され、定期モニタリングと結果のフィードバックが行われており、特に、青果部門では鮮度管理チェック表が運用され、半数の店舗で供給高増加の結果が生まれていました。

 

また、グロッサリー部門では、近隣競合店への価格調査に定時職員も参加し、週末特売企画への提案活動に繋げていました。そうした取り組みの結果、10店舗中7店舗で前年を超える来店者・供給高を実現しており、大きな成果に繋がっていると思われました。

 

(2)留意すべき事項

 

l  鮮魚・惣菜部門の加工場の衛生管理に関して半数の5店舗で不充分と判断される事象を確認しました。監査時の視察で、衛生帽子・マスク・手袋を規定通り着用していない者があり、日常点検・指導が甘いと判断しました。食中毒などの重大事故リスクが高い問題であり、改善が必要でした。

 

l  また、正規1名体制の小規模3店舗では、店長3名中2名で、開店前から閉店後まで12時間以上の勤務が確認されました。さらに、ヒアリングを通じ、「パート採用が進まず休日出勤もせざるを得ない事がある」との回答もあり、労基法・36協定違反と判断される実態であり、速やかな是正が必要でした。

 

(3)今後の期待

l設備更新計画がまとまり、次年度から順次更新が進められる予定である事を確認しました。計画には、省エネ性能やフロン対応がしっかり盛り込まれており、環境マネジメント目標の達成に大いに貢献できるものとして期待できます。

 

3.指摘事項

  -以下・指摘事項の要点一覧―

 

 

 「3.指摘事項」は、一覧表にして掲載します。これが、「内部統制上の不備事項」の論拠になります。

 場合によっては、監査コードを用いて数値化した表を掲載すると、何が問題なのかをより伝えやすくなると思います。

 


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