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NPOの経験から [6-雑感・いろいろ]

昨年9月から、地元のNPOをを手伝いしています。

初めは、かなり戸惑いがありました。生協で経験したことがどこまで生かせるかという不安と、NPOという組織体の在り様が見えない事、そこに集う人達の思いが強烈である事等、マネジメントとか統制とか、そういう次元では整理できないことが多く、無力さを痛感しました。

しかし、半年が経過する中で、幾つか判ったことがあります。それをこれからブログで紹介してみたいと思います。

始めは、「生協と地域の関係」です。

 

わたしのいるNPOは、地域の支え合いを再構築しようとして活動しています。たすけあい活動や介護保険事業、学童保育、障害者日中一時支援、子育てや女性問題の取り組み等、この地域にある、様々な問題にアプローチしています。

その中で、私自身は、「独居の高齢者の暮らし・生活援助」の取り組みを主に受け持って、「総合事業」のとりまとめをしています。

 

ある高齢の独居女性と面談した時の事。

「週に1回、生協があるから、それが楽しみで頑張っています。」とその女性は笑顔でお話されました。

そうです、この方のお宅は、生協のグループ配達の拠点になっていて、ご近所の方が週1回集まって来られるのです。

「生協のある前の日には、玄関や外回りを綺麗にしなくちゃいけないから、それに、その日はご近所さんが来られて、お茶会にもなるから、コーヒーや紅茶なんかも買っておかなくちゃいけないし、身綺麗にしておかなくちゃ・・だから、生協の日の前の日に、家事援助をお願いしたいの」とも言われました。

この方にとって、生協の配達は生き甲斐になっているのです。

 

こういうお話は、かなりいろんな場所で聞きました。地域の暮らしにとって生協の役割は、単に食品の配達ではないのです。

そのことを、当の生協の職員はどこまで知っているでしょうか?

個配全盛になっていて、テレビでも「コープ宅配、週1回だからちょうどいい!」というCMがたびたび流れていますが、個配・宅配では得られない社会的価値について、もう少し考えてもいいのではないでしょうか?

 

生協の外に出て、初めて、生協の価値について考えさせられています。


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NPOの経験から② [6-雑感・いろいろ]

地域の様々な会議や研修にも出席し、地域の支え合いや福祉、介護事業等を勉強しています。

先日、過疎化が進み、食料品店やコンビニが撤退した地域の会議に出席しました。

主題は、高齢になり外出が難しくなった方たちの支援はどうすればいいかということで、住民福祉協議会、住民ボランティア団体や福祉協議会、福祉法人、JA、コンビニ、量販店、ホテルなどの代表者が集まり、地域の中でどんな貢献ができるかを話し合いました。

この地域には公共交通機関が少なく、バス路線もいくつか廃止された経過もあり、とにかく、買い物に苦労されていました。

以前は、大通りにコンビニがあったのですが、閉店してしまい、苦労していると住民福祉協議会の方から報告があり、JAや量販店、コンビニの方から、宅配の充実を進めているとの発言もありました。ホテルの方からも送迎バスの運行や住民自ら運営しているタクシーの話など、創意工夫しながら、住民の足の確保と生活物資の確保、楽しみや社会参加に対する可能性の向上に知恵を出し合いました。

 

驚くことに、そんな中でも、生協宅配の話は全く出て来なかったのです。

もちろん、この地域で、生協の宅配トラックは何度も見かけていますし、テレビCMでも「1週間がちょうどいい」という関西地区の生協のアピールはされていて、多く方がご存じなのだろうと思います。

でも、この会議には、生協の職員の参加はありませんでした。主催した方にお聞きしましたが、出席できないとの返答だったようです。

住民福祉協議会の方も、御存じだったのですが、こういう場には生協は関係ないようなニュアンスの発言もいただきました。

 

生協に居た頃、仲間作り活動に邁進していた自分にとって、大変残念な思いをしました。

生協は、住民に一定の認知を得ているものだと認識していましたし、自分自身、そのために、毎日戸別訪問やポスティングを行い、少しでも生協の正しい姿を知ってもらいたいと頑張ってきましたから・・・。

でも、やはり、生協は組合員という閉じられた組織のイメージが強いようです。そして、生協はやはり裕福な層が入る組織というイメージも多いのでしょう。

 

過疎化していく地域の、高齢者世帯にとって、生協は関係のない組織に受け止められているようなのです。

 

私もここに転居してきて、もうじき1年になりますが、生協のチラシや訪問を受けた事はなく、ご近所の方は生協の宅配をされているようですが、まったく声もかからないという実態です。(この地域の生協の方が怠慢だとは思いたくありませんが・・一定の組織率を持ってしまった生協では良く起こりがちな・・ある種の思い上がり?ではないかとも感じます。)

 

組織の中にいると、地域に貢献しているつもりでいる事が多いのではと考えてしまいました。

 

事業拡大や組織合併で、県単位の生協が大半となる中、地域の小さい単位でどう役立てるかを見失っていないでしょうか?国や県との提携・連携は進めているのでしょうが、最も重要なのは、地域住民から指示される組織であることではないかと思います。

既定方針の中で粛々と業務をこなすだけでなく、業務外でもなんでも、地域との交流を行って、生協が外からどのようにみられているかを知ることも大事だと思いますが、いかがでしょうか?

 


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