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園児死亡事故(事件)から思う事 [7-マネジメント]

また、痛ましい事故が起きました。送迎バスの中に置き去られ、小さな命が奪われました。
親御さんの気持ちを考えると言葉になりません。
1年前にあれだけ大きく報道された同様の事故があったにもかかわらず、再び起きてしまうとは・・。
詳しい状況が徐々に解明されているようですが、昨年と今回、いずれも「園長」が直接関わっているというところが、事故に至る構造的な問題のように思えてなりません。

私の娘が昔通っていた幼稚園には、2台の送迎バスがあり、専門のスタッフが配置されていました。園長が送迎バスを運転するというのがちょっと信じられないことでした。
推測の範囲を超えませんが、園長が運転せざるを得ない状態にあるというのは、ひょっとしたら「コロナ」が関係しているのではないかと思うのです。
今、保育現場に限らず、「コロナ」拡大で、急に欠勤になるケースは多々あります。特に、施設系の事業所では、一定の職員体制がないと運営できないところも少なくないため、畔職員がコロナ感染・濃厚接触などで休まざるを得ない状態になると、急にシフトが変わったり、連続勤務で夜勤をしているとか、耳にします。
少人数で運営している、あるいは、日常的にギリギリの体制で運営しているところでは、特に役割を持たない「管理職」が現場に入るという事が起きているに違いありません。
今回の事故の背景には、そうした社会状況が大きく関係しているように思います。

だからと言って、こうした事故を容認するわけではなく、だからこそ、マネジメントをしっかり行う事が必要なのだと考えます。非常事態だからこそ、リスクが高くなっているという認識で、基本的な業務プロセスを維持する事こそ重要なのです。

今回の事故で言えば、
①「朝、バスが到着した時、なぜ、全座席のチェックができなかったのか」という疑問が生まれます。
・小さな園児が座席に座っていても見づらい中、例えば、眠ってしまって横になっていたら、なかなか気づけない。いったん、園児を降ろした時、全席をチェックするというのは基本的なプロセスのはずです。なぜ、おろそかになったか。例えば、送迎後にバスの中のチェックを行い報告するというプロセスはなかったのか?
・そういうチェックプロセスがマニュアルとなっていて、管理者が確認する手順で機能していれば確実に事故は防止できたはずです。

・多くのところでは「ヒヤリハット」危険予知と取り組みはしているはずです。こうしたことがおろそかになるというのは、やはりマネジメント不全が起きているという事だと考えます。


②「来たはずの園児が居ない事になぜ気付かなかったのか」
・仮に、降りていない園児が居た場合、担当するクラスの保育士は何故疑問に思わなかったか。欠席であれば、家族に連絡する(連絡を確認する)のは当たり前のはずです。少なくとも、数時間も放置されることはなかったはずです。それに気づけないということが信じられない点です。
・園児の出欠というのはどのように管理されているのか。4歳児以上では30人に一人の保育士配置の基準があります。受け持ちの園児の姿がない事を何故疑問に思わなかったか。仮に、通常の担当保育士が休みで、代わりの保育士が見ていたとすれば、ひとりひとり名前を確認しなければ適正な保育はできないはずです。


全て、推測の範囲を超えませんのでこれ以上は止めておきますが、これだけの重大なリスクが発生し、今後、園の存続すら危うくなっているに違いありません。事故解明まではおそらく休園になっているに違いなく、ほかの子どもたちの保育に問題が広がるはずです。

命を預かる現場では、こうした事故が再発しないよう、リスクマネジメントの視点で、業務プロセスの点検を行って、最大限の安全確保をお願いしたいと思います。
私の職場でも、「コロナ対策」で、健康管理チェックとか、事務所内の定期的な換気や衛生管理の徹底等、業務プロセスの負荷がかかっています。一方で、通常の業務では、リモートワーク・リモート会議の開催や、研修や訪問活動の制限なども生まれていて、日常業務にも支障が出ています。ついつい、基本的な手順を簡略化してしまう気持ちも湧いてきます。
しかし、こうした事態だからこそ、基本的な手順をしっかり行う事がリスクを最小限に留めることになるという認識で、管理職の皆さんがマネジメントしてもらえるよう願うばかりです。


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