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価値のある「監査報告書」のために①(20180423) [3-内部監査参考情報]

 

1)代表理事への報告(エグゼクティブサマリー)とは?

Ÿ   代表理事への報告(エグゼクティブサマリー)は、内部監査の成果物であり、最も重要な報告です。   個別監査の「監査(結果)報告書」と異なるのは、代表理事が報告を受け、明日からの経営・業務執行に使えると評価されることが求められることです。

Ÿ   言い換えれば、現場だけでは解決できない重要な課題を明示し、有効な打開策を添えて、トップへ進言するものであるという事です。ですから、現場で発見し解決すべき指摘事項を全て報告する必要はありません。重要なのは、現場が抱えている問題の根源(真因)を代表理事が正しく理解し、それに対して有効な改善指示をするための「ガイドブック」となるように仕立てていく事です。

 

2)報告に関わるポイント

Ÿ   代表理事への報告時間がたっぷりあれば良いのですが、何かと忙しい事が多く、できるだけ短時間にという要請が常です。その場合、予め、報告書を提出しておく事が必要です。その上で、報告は簡潔に行う事。そのために、総合所見だけで内容が把握できるよう工夫しましょう。

Ÿ   また、監査報告書は代表理事だけでなく、関係する役員や統括部長などにも提出できるよう、代表理事と合意をしておくとよいでしょう。そうすれば、代表理事への報告の後、改善指示がより迅速にでき、効果も高まります。

 

     監査で、重大な不正や犯罪行為、事業損失が判明した場合、監査報告を待たず、直ちに報告します。第3の防衛ラインとして、組織防衛・経営を守る重要な役割です。

 

 

3)活用に関するポイント

Ÿ   監査報告後、代表理事からの具体的な改善指示については、それぞれの生協で違いがあると思われます。

Ÿ   代表理事名で該当部門管掌役員あるいは統括部長宛てに、「改善指示書」が発効されるところでは、「改善指示書」まで内部監査担当が作成する事が指示されているようです。また、内部監査報告書を基に、代表理事の指示で常勤理事会等の機関会議で協議・検討できるよう、管掌役員へ議案作成指示がなされることもあるでしょう。内部統制委員会や経営会議等の業務会議で報告し、検討されるケースもあると思われます。

Ÿ   いずれにしても、内部監査からの進言を代表理事がどう受け止め対処するかを確認しておくことが重要です。

 

 

4)一般的な報告書式(例)

     報告書式は、内部監査の各種HOWTO本でほぼ共通しています。(以下項目列記)

1.内部監査の概要

 (1)監査目的:

 (2)監査項目:

 (3)実施した監査手続:

 (4)内部監査実施担当者名:

 (5)監査部署及び対応者:

 (6)監査日程・時間:

2.総合所見

3.個別所見

4.内部統制上の不備

5.追加情報

 

     HOWTO本では、「個別監査」を想定した項目仕立てが一般的です。一つの監査を終了するたびに作成する事を前提としています。

 

     ここでは、個別監査の報告ではなく、それらを一定期間に取りまとめて、トップへ報告するケースを解説しています。

 

5)項目とポイント

1.監査概要

対象期間内に実施した個別監査の概要列記

       監査毎の、目的・項目・手続・対象部署や対応者・日程を簡潔に記述。

       表にまとめると判りやすい。

2.総合所見

対象期間内の監査全体の所見

       幾つかの監査をまとめて所見となるため、最も苦労する部分。(詳細後段)

       推奨すべき事項、留意すべき事項、今後の期待の3つのポイントで概括する事が有効。

       最後に、統制上の不備事項の項目列記

3.個別監査の所見と指摘事項

監査ごとの監査結果報告書の「所見部分」を要約し、指摘事項は一覧表と数値化すると良い。細目は、添付資料参照とする。

4.内部統制上の不備事項

個別監査で発見した「指摘事項」から導き出される「内部統制上の不備と改善提案」を記載。

より詳細に、理論的に展開する事が必要。

①発見した問題事象と真因

②想定されるリスク

③改善のための提案

3段階で記載すると判りやすい。

5:有効な監査指摘と改善提案を参照)

5.追加情報

フォロー監査や追加で監査が必要と判断されるような案件についての情報提供

添付資料

該当する、「個別監査結果報告書」を資料として添付

 


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