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6:実地監査②帳票類の点検(20180322) [2-内部監査実施指針]

実地監査の二つ目は、「帳票類の点検」です。

業務の結果は様々な帳票や記録として残されます。監査項目に沿って、検証可能な帳票を選定し、正確性・網羅性・保存性・有効性の観点で評価します。現在、様々な帳票の電子データ化が進んでいる点を考慮して、監査に際しては、使用可能なPCを提供いただくようにしておくことも必要です。

帳票の点検のポイントは4つです。
①正確性・・・記載事項・作成者・点検者などが正確か。
・書式に沿って必要事項が正しく記載され、必要な承認や決済印があるか、間違いを発見し、指摘し是正要求につなげやすいものです。しかし、ここで重要なのは、何故誤りが起きるか、原因を考える事。書式や手順に問題がないか、特定の事項に起きていないか、頻度はどうか、そういう見方をします。誤りの事実と同時に発生の原因を考えていくことです。

②網羅性・・・一定期間(必要期間)、抜けが無いように作成されているか。
・監査対象期間で、必要な書類が作成されている事。抜けがあれば、その期間に何があったかを確認する事。管理者や担当者の交代やルールの変更が要因であれば、運用プロセスの欠陥と考える必要があります。

③保存性・・・作成書類は整然とファイリングされ、必要期間分が保存されているか。
・書類は一定のルールに沿ってファイリングするのが基本です。長期間保管するものは特に重要です。そして必要に応じてすぐに取り出せることが必要です。ある特定の書類を指定して閲覧できるかを点検します。

④有効性・・・法令や内規に照らして、有効な書類となっているか。
・法廷書類や内部規定によって要求されるものが備わっているかも、重要です。適切な管理にはしっかり区分されている事も見ていきます。

上記の4つの視点で点検することは、「帳票の不備」という事実に照らして、マネジメントの不全につながる「真因」を思考することになります。

内部監査の目的は何か、今一度思い出して下さい。
帳票点検で不備帳票を発見し、指摘し是正要求するだけでなく、マネジメント改善を通じて経営に貢献するのです。

内部監査が敬遠される(疎ましがられる)理由の一つに、重箱の隅をつつくように、ミスを発見し問題事項として指摘し、一方的に是正・改善要請を行うような、「嫌がらせ」のような監査結果しか提示できないと受け止められているからです。(実際、ISO監査では規格要求事項に照らして、判定し、不適合を発見すると、是正指示を出す事になり、結果的に、かなり機械的で一方的な監査になりがちだったことを反省しています)

帳票点検を行い、発見したミスの要因について、監査対象部署とともに考える姿勢で臨めば、それほど疎ましがられることはないはずです。

次に、実際にどのような帳票を点検するかについて、視点と併せて述べます。
あとの、ワークシートとの関連もありますが,大雑把に以下の様な区分で帳票点検するとよいでしょう。

①法令順守:適用法令による届出・許可証・認可書・資格取得証明書等(掲示物も含め)
②人事労務:出退勤記録・届け出・雇用契約書・教育訓練記録
③安全衛生:安全衛生委員会開催記録・労災記録
④安全運転:教育訓練記録・事故違反報告・車両管理記録(車検点検等)
⑤会計管理:小口現金記録・金庫管理記録・稟議申請
⑥資産管理:固定資産管理台帳・施設点検表(日次記録)
⑦供給管理:商品仕入れや供給に関する伝票・現金入金表・レジ記録・販売管理表
⑧動態管理:加入書・脱退書・出資金管理(増資・減資)・利用登録・割引申請書
⑨業務管理:業務日報・週報・月報・お申し出(クレーム)管理表

具体的な帳票類・名称はそれぞれの生協で違うと思いますが、管理プロセスごとにかなり多種、存在することは判ると思います。すべてを点検するなどとても無理ですし、無駄です。
あとのヒアリング工程と関連し、リスクベース視点による重点リスク項目の帳票類は重点的に点検すると効率よい監査になると思います。

発見したミス帳票には、付箋を貼ったり、コピーを取るなどして、ヒアリングの際に提示できるように整理しておきます。

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