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内部監査員の育成(20180301) [1-内部監査]

ISO規格(品質・環境)の認証取得生協では、ISO19011(内部監査指針)に基づく「内部監査プログラム」を採用し、適合性・有効性の監査が実施されていると思います。

ISO19011(内部監査指針)は、内部監査プログラムを策定し、プログラム管理者による進捗管理と「チーム監査」を基礎としており、内部監査員には対応する企画に関する基礎教育と力量評価を行うことで、監査品質を担保することが求められています。そして、内部監査員は、独立した内部監査室に属しているのではなく、現業・管理部門などから選出する仕組みも含まれています。

私のいた生協では、ISO認証取得の際、ISO内部監査事務局(監査プログラム管理者)による監査体制を取り、、センターや店舗・福祉事業所・管理部門から内部監査員を選出し、監査員研修を実施し、年間2 ヶ所から4ヶ所ほど分担して監査を行ってきました。その後、内部監査室にISO 内部監査事務局機能が統合されたことを契機に、内部監査計画を統合し、内部監査室が事務局機能を果たす形で、「内部監査員制度による監査体制」へと変化させ、ISO 監査と内部統制監査を一体化し、「総合内部監査」という名称にして実施してきました。

その概要は以下の通りでした。
(1)内部監査室:監査計画の策定と進捗管理・監査結果報告のとりまとめ
(2)内部監査員:事業部門と管理部門から、選出。最大時24名:最新13名
(3)教育訓練:集合教育(外部講師から内部講師へ変更)1日研修
  ・ISO規格・内部統制・内部監査の基礎教育と往査時演習と効果測定テスト
(4)実施
  ・2名チーム制(チームリーダー)
  ・全領域監査(包括的監査)-1事業所1日設定。現場視察や作業点検・帳票点検含む

内部監査員制度として運用。年度初めに各部門から内部監査員候補を選出、専務理事による任命。
候補者は、次期管理者候補(課長級)を選出。

制度運用してみて以下のようなメリットとデメリットがありました。
(1)メリット
・内部監査員選出を部門内で調整することで内部監査への理解が進んだ。
・次期管理者を積極的に選出いただくことで、内部統制やマネジメントに関する教育が進んだ。
・自部門以外を監査することで、生協全体の事業や運営の理解が深まった。
※いわゆる、教育の場としての効果が高く、トップからも期待が強まりました。

(2)デメリット
・打合せや結果調整等、監査の進捗管理にかかる時間が増大。内部監査室業務が増加した。
・外部講師による教育(ISO講師)には限界があり、内部講師にならざるを得ず、結果として内部監査室の力量が問われることとなった。

長期的にみれば、内部監査の特殊性専門性の高い業務の経験者を増やすことができ、組織として内部監査や内部統制に関する知識の蓄積や経験の蓄積に繋がることが期待できます。

実際、私が一人体制で行っている監査に比べて、業務やマネジメントの評価(指摘)の幅は確実に広がりましたし、数年継続した内部監査員は、手順や監査視点などしっかり理解でき、スムーズな監査ができる力量がついていました。何より、多くの人がかかわることで、内部監査の重要性や役割を知る人が増えたことで、内部監査への期待や信頼は向上しました。

これから、内部監査を充実しようと考えておられるところでは、ぜひ、こうした内部監査員制度の運用を検討してみてください。

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