SSブログ

内部監査に求められる能力(20180228) [1-内部監査]

私が、内部監査に配属された時、特別な教育や研修は全く受けていませんでした。
前にも記した通り、上司である監査室長からのオリエンテーションも、テキストがあったわけでもなありません。

3ヶ月ほど経って、日本内部監査協会主催の「内部監査基礎研修会」を受講しましたが、ほとんど監査の経験がなかったため、内容を理解することもおぼつかない状態でした。

ISO監査に関しては、環境ISO認証取得の際に、監査員養成研修を受けていた事もあり、ある程度の知識は持っていましたが、内部統制領域の監査となると全くイメージできない状態でした。

おそらく、これから内部統制・内部監査の充実に取り組む生協で、新規配属された職員の皆さんは戸惑われるはずです。
内部監査基準 3章 内部監査人の能力及び正当な注意 3.0.1 内部監査人は組織体における自己の使命を強く認識し、熟達した専門的能力と専門家としての正当な注意をもって職責を全うしなければならない。 専門的能力3.1.1 内部監査人は、その職責を果たすに十分な知識、技能及びそのほかの能力を個々人として有していなければならない。さらに、内部監査人は、内部監査の遂行に必要な知識、技能及びその他の能力を継続的に研鑽し、それらの一層の向上を図ることにより、内部監査の質的維持・向上、ひいては内部監査に対する信頼性の確保に努めなければならない。

内部監査基準にはとても厳しいことが求められていますね。

生協は幅広い事業を行っています。それら、生協全体の業務や事業、法令や定款・内部規程に精通することは容易な事ではありません。もちろん、不断の努力と長年の経験の中で習得された職員も存在するのでしょうが、そうした方が必ずしも内部監査に配属されるわけではありません。
したがって、職責を果たすに十分な知識、技能を個々人で有する為には、内部監査に配属されてから培う事になります。
その一つの方法は、監査に際して実施する「予備調査」です。監査対象(部門・部署)を監査の前に徹底的に調査(情報収集)することです。そして、監査(往査)を通じてしっかり対象の業務や事業を理解することを積み上げて行くことが必要となります。さらに、効果的なのは、同部門のエキスパートの同席を要請し監査を実施することです。これは「ピアオーディット」という手法で、複数の監査員で補完し合うことができ、より客観的で有効な監査結果を得ることができます。

また、内部監査人の育成計画もしっかり作ることが必要でしょう。
外部の研修をしっかり取り込んで、長期的視点で育成を行える環境整備が大事です。日本内部監査協会による「内部監査士」資格の取得は、監査人としての自覚・知識を高めるのには有効です。
私もこの資格の受講を通じて、内部監査の軸がしっかりできたと感じています。

組織全体の力量向上には、「内部監査員制度」が有効です。これはISO監査指針(19011)の流用ですが、組織の各部門・部署の管理職や次期管理職から内部監査員を選出・任命し、集中的な基礎研修と模擬監査実習を積み上げ、往査を通じ実践力を高めます。内部監査人の力量向上と内部統制システムの理解や運用強化の両面で有効な手法です。次期管理職や管理者候補からの選抜は、管理・マネジメント力の育成にもつながり、推奨します。





nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント