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内部監査って何?(20180222) [1-内部監査]

内部監査室に配属された時、当時の内部監査室長から、内部監査業務についてあらましの説明を受けました。
その監査室長の初めの言葉は以下の通りでした。
「内部監査は役員を守るのが目的。トップに安心してもらう報告ができるようにすること。」
当時の私はこの言葉の意味が解りませんでした。
「役員=理事」?「トップ=理事長?専務理事?」 組織を守るためなら、理解できるのですが、役員を守るというのはどういう事でしょうか? トップが安心できる報告というのはどういうものなのでしょうか? 結局、その1年間は、部分的な調査報告をまとめたり、前任者から引き継いだ「チェックリスト」をもとにした「表面的なヒアリング報告」を室長に提出したり、釈然としないまま過ごしたのを覚えています。
2年目に、内部監査室が独立し、私一人の部署となってから、改めて、内部監査の役割や在り方を再考することになりました。
拠り所としたのは、日本内部監査協会の「内部監査基準」でした。

内部監査基準1.0.1 内部監査の本質 内部監査とは、組織体の経営目標の効果的な達成に役立つことを目的として、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で、ガバナンス・プロセス、リスク・マネジメント及びコントロールに関連する経営諸活動の遂行状況を、内部監査人として規律遵守の態度をもって評価し、これに基づいて客観的意見を述べ、助言・勧告を行うアシュアランス業務、および特定の経営諸活動の支援を行うアドバイザリー業務である。

この短い文章の中に、内部監査の本質がすべて凝縮されています。 そして、これを生協という組織に置き換えてみると以下の様になります。


生協における内部監査は、「人間らしい暮らしの創造と持続可能な社会の実現」を目的とする生協組織の経営諸活動をの遂行状況を、合法性・合理性の観点から、公正・独立の立場で評価し、客観的意見を述べ、助言や勧告を行う「アシュアランス(保証)業務」と、特定の経営諸活動の「アドバイザリー(支援)業務」である。


「役員を守る」とか「トップが安心する」などという言葉はどこにも出てきません。
より判り易くすると、 自生協が、理念や目標、中期計画や年次計画・方針の達成に向け、コンプライアンスを堅持し、合理的に運営されているか、業務が適切に実施できているかを、独立した立場で客観的に評価し、問題があれば指摘し、是正や改善の助言や勧告を行う役割を担うと同時に、具体的な是正や改善のための支援も担うという事です。
役員を守るのではなく、組織を守る役割を担うという事です。
私は、これを「経営に資する内部監査」と考え、実践してきました。業務の現場への是正改善の指摘や助言を行うと同時に、経営トップ(専務理事)への提言も行う事が重要だと考えています。

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