SSブログ

事例検討会から [6-雑感・いろいろ]

本日、勤務している相談センターで、月1回の事例検討会がありました。
前回は私が事例を報告し、相談員で深堀していただき、支援の方向について検討しました。
こうした検討会では、「困難な事例」が用意されます。
詳細は、守秘義務もある為、掲載できませんが、「知的障害で、発達障害の疑いのある方」の事例でした。
基本的に、障がい者の人権を尊重し、本人の意思決定をベースにした、有効な支援策を考える事が目的の検討会ですから、答えに辿り着くことは相当難しいものです。今回の事例でも、これまで10年以上の支援を継続してきた方でしたから、様々なサービスの利用や支援をやりつくした感は否めませんでした。
私は、この世界に入って経験も浅く、ほかの相談員の知識と経験には及びません。じっと皆さんの話を聞いているところでした。
今回、なにをお伝えしたいかというと、「こういう閉ざされた世界で、同種の経験者が集まって、検討(会)をする事の有効性」についてです。
相談員の皆さんの意見を聞いているうちに、だんだん、違和感を覚えました。
今回の事例の方は、地域で様々なトラブルを引き起こし、福祉サービス事業所としても手を焼いていて、言わば、たらいまわし状態にあることが最大の問題でした。
本人の障がい特性を理解すると、トラブルの原因・要因は容易に想像できます。社会とのかかわりを持つ事でトラブルを生んでいて、本人の障がいを理解をしていない人にとっては、途轍もなく問題な存在です。

相談員は皆、社会とのかかわりを持つことが、人権の尊重であるとの認識で支援策をひねり出そうとします。しかし、それが本当に重要な事なのかと考えてしまいました。
支援者以外の「一般の人」には、その人の存在は、トラブルばかり起こす「迷惑な存在」でしかないはずです。(ちょっと言葉が荒っぽいのは赦してください)

ということは、「迷惑な存在だ」と思っている人と、無理にもかかわりを持つ事を志向する事になりはしないかと思ったわけです。
正解はないでしょう。
ただ、同じ職務でいる人が集まって行う事例検討会には限界があるのではないかと考えます。豊富な知識と経験で正しい道を見つけるプロであるとは思いますが、同じ思考方向が生み出す限界や危険性を十分に認識しておく必要があるように思います。
「ケース検討会」という会議が時折開催されます。特定の障がい者への支援者が集まって、支援策を検討する場ですが、それには、様々な立場の人が参加します。社会福祉士や保健師、看護師、行政職員等の専門的立場の人もいれば、地域の民生委員や懇意にしている方といった立場の方も参加されることがあります。
こうした会議では、様々な角度から問題を掘り下げることができ、公的サービスだけでなく、人のつながりをベースにした支援も結論として得ることがあります。

福祉の現場だけでなく、企業でも、多様な立場から参加した協議の場は有効性が高いのではないかと考えます。

nice!(0)  コメント(0)