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受託共済事業の監査ポイント(20180412) [4-監査実施のポイント]

共済事業は、保険法・保険業法(準用)・金融商品販売法などの法規制があり、共済事業を受託した生協は「代理店」として要件を満たしておくことが重要です。

〇受託共済事業の監査のポイントは3つです。
1)コープ共済連による「共済業務点検」結果の重視
共済連は、「共済業務点検マニュアル」に基づく訪問点検を行っています。
点検が行われた場合、その結果を確認することが必要です。
共済連による訪問点検では、「代理店の委託・届出」を始めとして、募集人管理態勢・個人情報管理態勢・苦情等対処態勢の全般を点検され、内部監査の結果同様、是正や改善の指摘が示されています。
内部監査に当たっては、まず、その結果はどうだったのか、指摘事項の座性や改善は進んでいるかを点検することから始まります。

2)内部監査では「適正な共済業務」となっているかが重点。
「適正な共済業務」のポイントは、①共済募集管理態勢、②個人情報管理態勢、③苦情等対処態勢の3 点。(詳細は以下の設定参照)
 事業連合・共済連合会などへ、共済の事務処理など業務を委託している場合、共済部局において、委託業務が明示され、適宜点検する体制があるかも項目に加えます。
3)会計処理もポイント
受託共済収入には多種の細目があり、共済連からの通知をもとに、経理処理において、適正に計上されているか検証する必要があります。
収入を現場事業所へ振り分けている場合、適正な根拠(加入件数や共済金収入の実態)があるかを検証します。
私は、月次の収入計上データを共済部局から提出を受け、計上額の検証を行っており、定期業務監査では割愛していましたが、年度替わりの月は、組織体制の変更や管理者交代などで事務処理の理解に間違いが起きやすく、注意が必要でした。

◆監査項目の設定事例
1)共済募集人管理態勢
 ①「共済推進ガイドブック」などの基準書の配置
 ②募集を行う職員の研修の記録
 ③コンプライアンス研修の実施記録
 ④不適切募集行為の原因分析と再発防止策の策定
 ⑤広報宣伝の運用管理

2)個人場管理態勢
 ①安全管理態勢-個人情報管理台帳・持ち出し記録等の運用
 ②パソコン管理態勢(データ暗号化・アクセス制限・事業所とのやり取り)
 ③外部委託先の管理(DM等の作成委託先)

3)苦情等対処態勢
 ①苦情処理の記録と報告のルールと運用
 ②役員への報告手順と実施
 ③苦情・事故の分析
 ④再発防止策の有効性

〇受託共済事業をどのような組織体制で行っているかは、各生協で異なると思いますが、基本的に、組織全体の事業を取りまとめる部署はあると思います。共済加入の目標・計画策定や実績管理、共済連からの収入管理等、現場との連携がどうなっているかが、実際には重要な要素です。共済管理部署が、如何に募集人管理や個人情報管理・苦情処理態勢を強化しても、組合員に接する各事業所(宅配センターや店舗等)が、適切な運用を行わない限り、コンプライアンス上のリスクや、事業リスクは低減できません。

〇コープ共済連の業務点検は、ほとんどの場合、生協全体の管理部署が対象となっており、現場の運用にまでは入っていません。したがって、センターや店舗の業務監査において、共済事業に関する業務管理は重要なポイントとして織り込んでおくことです。そして、センターや店舗の業務監査の結果を「共済事業」に絞って再評価し、管理部署(共済事業部署)の監査の基礎資料とする必要があります。

〇共済事業を推進する現場の実態とそれを統括・管理する共済管理部署の両方をしっかり監査することは、内部監査にしかできない役割であり、経営に資する監査として有用なものと言えます。

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