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業務マニュアルと業務プロセス③PDCA [7-マネジメント]

マニュアルは作成したら、周知し、習得(訓練)することが重要です。(QMS/EMSの導入では、システム・規程・マニュアルを作って終了・審査に通れば良いという思考に陥りがちですが)
 そして、運用実績をもとに、次のプロセス(この場合、相談支援)への成果物のチェックをし、品質向上させるための見直しができる仕組みを作っておかなければなりません。
 いわゆるPDCAサイクルの運用です。
 マニュアル作成と教育訓練は、Pの段階。マニュアルに基づいて、業務が行われるのがDの段階。一定の期間を経て、実績の振り返り(手順・成果物)がCの段階。そして、見直し改善がAの段階。
 マニュアルが有効に機能しないのは、実は、Pにエネルギーを費やし、運用後の評価と見直しができないからです。そしてそれは、マニュアルを定める管理者の責任です。
 今の事業所でも、定められたマニュアルは一度も更新されていませんでした。というよりも、職員自身、その存在さえ知らないというものもありました。中には、同じような名前で「マニュアル」とは別に、「注意書き」が作成されているものもありました。
 言葉を選ばずに言うと「ここは、仕事をする場所ではない」「皆、自由に自分のやり方でやって下さい」「管理者は必要ありません」というような職場と言われても返す言葉がないと思います。

 職員は皆、真摯に毎日の業務に向き合っています。
 中には、こなせないほどの多くの量を抱え、毎日残業という職員もいます。
 特定の専門職は、情報を秘匿する事を是としていて、知らない職員が、無用な業務を行う事も多々あります。
 
 だからこそ、それぞれの業務が、リスクコントロールされ、効率よく運用できるようなマニュアル整備は重要です。
 そして、管理者によって、絶えず、評価と見直し(改善)がされる事が重要なのです。
屋上屋の様になりますが、そのためには「業務マニュアル管理規定」を定めて、法人共有のマニュアル、事業所固有のマニュアルの種類や名称を「マニュアル文書登録表」に登録し、それぞれの管理者を定め、一定期間で確実に見直しするという条項を盛り込むことが必要になります。
 意外に、こうした組織上の文書管理に関する取り決めが弱いところが多いのです。特に、NPO法人では、代表ひとりの意向が組織全体を統率しているケースが多く、規程やマニュアルの整備が蔑ろにされている所も少なくないでしょう?
 自らの組織を、未来に向け、強化し、継続できる様にするために、業務管理システム・マニュアル整備は重要だと思います。それは、組織を代表する経営トップの責任でもあると思います。
 
 内部監査をやっていた頃、予備調査で、事業所の資料取り寄せを行い、精査していました。その時、業務マニュアルも精査対象でした。
 誤字脱字は言うまでもなく、管理者がマニュアルにどう向き合っているかも重要な監査ポイントでした。
 監査指摘では「マニュアル通りに運用されず、○○のミスが発生(あるいは○○のリスクが予見)」と書くことがあります。
そういう指摘に対して、管理者は言い訳のごとく「マニュアルが実態に合っていない」と言います。でも、それって、「管理者自身が真面目に仕事をしていませんよ」という事と同じなんですよね。有能な管理者は、実態とマニュアルを照合し、より有効なものに改善していくべきなのです。

これを書きながら、昔のことを思い出しました。
今から40年前。生協に就職した時、「運転免許をもっていれば明日から配達に行って」と言われました。勿論、冗談ですが、当時はそれくらい、共同購入事業が拡大し人手不足で、運転さえできれば良いくらいの勢いがありました。案の定、新人は、大抵、交通事故を起こし配達トラブルが生まれます。幸い私は、無事故で過ごしましたが、中には痛ましい「人身事故」を起こし、仕事を辞めて行った者もいました。
余りに事故が続くため、コンサルタントが入り、安全運転推進委員会が作られ、安全運転研修が始まり、運転におけるマニュアル(車両に乗り込む前からの手順)も作られました。徹底した管理者による指導が始まったのです。
その甲斐あって、事故は徐々に減少しました。ただ、次第に、訓練やマニュアルが形骸化し、「パート配送」が始まった時には再び事故が増加したのです。
トラックという車両特性を理解していない女性パート職員に対して、従来通りの教育訓練では充分ではなかったのです。やはり、絶えず、マニュアルや教育訓練の在り方を見直し、改善し続ける事が重要だと今になって感じています。500_F_98320328_YdsDTSkNnqHzzix7p7WQSnD8mNrwbDB0.jpg


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