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内部監査の立ち位置(20180226) [1-内部監査]

配属当初、内部監査室は室長と私の2名体制でした。組織図上は、専務直属部署でしたが、実態は違いました。内部監査室長は、経営管理部と経理部の部長兼務であり、実態として、経営管理部・経理部・内部監査室は一つの部署と同じでした。部署単位の業務会議も一緒に行い、業務報告も行い、課題調整もされていました。

私が内部監査で発見した、様々な問題点は、内部監査室長が、すぐに経営管理部や経理部へ是正指示がされることで、当初、そういうものなのかと納得しておりました。当然、それはトップへも報告されているものだと思っていました。しかし、実際は何も報告されていませんでした。今から思い返すと、私がやっていた内部監査は、実は、経営管理部長・経理部長が日常的に監視・点検すべきことを補助するに過ぎなかったのだと思います。そして、発見された問題は上司である専務理事へ報告されることなく、内内に処理していたにすぎなかったのです。
その結果、重大な経理上のミスによる高額な欠損金処理を強いられる事案が発生しました。経理プロセスの「点検工程が不十分」という指摘は行っていたにもかかわらず、根本的な解決が先送りされたことが要因でした。厳しい見方をすれば、ミスの隠ぺい体質が招いた事象とも言えます。
本来、こうした事象が発生しないよう、管理者はマネジメントすべきであり、そのマネジメントが適切に行われているかどうかを監視するのが内部監査の役割であるはずです。

やはり、内部監査部門は、執行組織とは独立して置かれるべきなのです。現場や管理部門すべての業務管理と管理者によるマネジメントの評価を公正な立場でできる環境が整備されるべきだと思います。

この事象の後、内部監査室は、経営管理部から独立し、専務直属部署となり、私一人の内部監査体制に変更されました。以降、私が内部監査で発見した事象は逐一専務理事へ報告するようになり、専務理事の指示による是正・改善へと動き始めました。

私の知る限り、全国の生協のには、内部監査が、内部統制事務局・ISO事務局などの中に位置づけられていたり、監事会スタッフが兼務していたり、人事部など管理部門の中にあるところも少なくありません。もちろん、大規模生協では独立した位置づけで組織的監査が実践されているところもありますが、まだまだ少ないのが実情です。

しかし、内部監査の本質(内部監査基準1.0.1)にあるように、「公正かつ独立の立場」を確保する事は重要です。それは、外観的にも実質的も確保されるべきなのです。
そして、経営トップに直属すること。同時に、内部監査に配属された職員の身分保障も重要です。仮に、代表理事や他の役員・経営幹部による不正を発見した場合、保身のために隠ぺいに加担することがないよう、特に留意される必要があります。そして、内部監査が独善的にならないよう、監事への報告と監事からの示唆を受ける環境を確保する事も重要です。
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